脂肪細胞は下半身に多く存在します
女性は男性に比べてもともと脂肪が多い傾向にありますが、特に下半身太りになりやすいのは、脂肪を貯蔵する脂肪細胞が下半身に集中していることが原因です。
脂肪細胞とそのしくみ
脂肪細胞といっても一方的に脂肪をためこんでいるわけではなく、表面にある2種類のレセプター(受容体)によって脂肪の貯蔵と放出をコントロールしています。
このうち、脂肪を貯蔵するのがα2レセプターで、逆に脂肪を血中に放出するのがβレセプターです。
脂肪細胞は体中の至る所に存在していますが、上半身と下半身ではレセプターの比率が大きく異なっており、女性の場合、下半身のα2レセプターは上半身の約6倍にも及んでいることが判明しています。
では、なぜ女性の下半身には脂肪貯蔵レセプターが集中しているのでしょうか?
下半身に脂肪細胞が多い理由
下半身に脂肪細胞が多い理由は、主に2つ挙げられます。
子宮を守るため
女性にとって最も重要な器官である子宮は二重三重のガードによって守られています。
そのうちのひとつは骨盤で、子宮を取り囲むようにして外部からの衝撃に備えています。
そしてもうひとつの衝撃対策として活用されているのが皮下脂肪です。弾力性のある脂肪を下腹部にため込むことでクッションを作り、大事な子宮を守っています。
そのため、下腹部には特に脂肪細胞が多く配置されており、下半身太りになりやすい傾向にあります。
冷えを防ぐ
女性は男性より筋肉が少ない分、血行が悪くなりやすく、冷えを感じやすい体質となっています。
そのため、女性は特に子宮を冷やさないよう、子宮のまわりに熱を通しにくい脂肪を貯蔵し、子宮内部の温度を一定に保っています。
そのぶん下腹部には脂肪が集中しやすい傾向にあり、食べ過ぎたり基礎代謝が低下したりすると、まず真っ先に下半身にぜい肉がついてしまいます。